と、こんなことを感じた方におススメの書籍です(^^)/
生きていると・・・
- 人間関係で悩んだり
- 仕事のそのものの内容で悩んだり
することがあるでしょう。
人間関係、仕事の内容のひとつをとっても、
状況は複雑であるためあらゆる角度から眺めて、推論を進めて結論を導き出す必要があります。
そういった複雑な状況の中で必要になってくるのが、
- 論理的な思考力
- 倫理観の持った行動と決定
どんなに論理的な思考力で結論を出したとしても、
人間の倫理に反していると反感を買う結果となります。
どんなに数学における理論が正しかったとしても、
人間の感覚に合っていなければ受け入れてもらえません。
そんな不条理な世の中を生きていくためには「思考力」が必要であると思います。
※紹介する例は本書の例の一部を紹介しますが、考察は僕自身のものです。
倫理観を揺さぶる思考実験
まずは倫理感を問う問題を紹介したいと思います。
人間がどのように道徳的ジレンマを解決するのかを知る手掛かりになるとても有名な問題です。
【問い】
線路を走っていたトロッコの制御が不能になりました。
このままでは前方で作業中だった5人が猛スピードのトロッコに避ける間もなく轢き殺されてしまいます。
この時たまたまA氏は線路の分岐器のすぐ側にいました。
A氏がトロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かります。
しかし、その別路線でもB氏が1人で作業しており、5人の代わりにB氏がトロッコに轢かれて確実に死んでしまいます。
あなたがA氏なら、トロッコを別路線に引き込むべきでしょうか?
問いは、
- 暴走するトロッコの先にいる5人を見殺しにするか?
- 線路を切り替えてその先の1人を犠牲にするか?
多くの人は何もしないで5人を見殺しにすると言うでしょう。
自分の倫理観はどういったものかを考えてみることです。
「A氏が他人なら自分は何てアドバイスするのか」と「自分ならどう判断を下すか」という立場の違いだけでも意見が変わってしまう場合があります。
他人にアドバイスするなら、1人が犠牲になるなら5人が亡くなるよりはマシだと考える人もいると思います。
このような状況の時に自分の倫理観はどういったものかを考えることで思考力が養えるということです。
矛盾が絡みつくパラドックス
矛盾が絡みついたときにどのようにどのように思考力を働かせるかという問いになります。
パラドックスとは「ジレンマ」「逆説」「矛盾」などを意味ししますが、
「一見正しそうだけど、間違っている」ときや、「一見間違っていそうだけど正しい」など、検証するに値する問題によく起こることです。
次の「一見正しそうだが矛盾する問題」でどのように矛盾を解き明かすかを考えてみましょう(^^)/
「アキレスと亀」
アキレスと亀が徒競走をすることになりました。
アキレスの方が足が速いので亀がハンデをもらい地点Aからスタートするとします。
スタート後、
- アキレスがA地点にいるとき、亀はB地点にいます
- アキレスがB地点にいるとき、亀はC地点にいます
- アキレスがC地点にいるとき、亀はD地点にいます
- アキレスがD地点にいるとき、亀はE地点にいます
・・・これでは一生追いつけないことになります。
なぜでしょうか?
世の中の「一見正しそうな意見」に惑わされず、一度落ち着いて思考力を働かせることが重要ですね(^^)/
矛盾は必ず存在する
このように、矛盾というのは必ず存在します。
矛盾という「矛」と「盾」も、
A「この矛はどんなモノも切り倒せる最強の武器だ」
一方で、
B「この盾はどんなモノからも守れる最強の防御だ」
では、この「矛」はこの「盾」を切れないのか?
- 切れれば、Bの言っている主張がおかしいことになるし、
- 切れなければ、Aの言っている主張がおかしいことになる。
あちらを立てればこちらが立たずというどちらの意見も取り入れるのは難しいという状況はよく起こります。
例)ダイエットしたいけど、ケーキを食べたい
このようにグラフを書いて自分が最適だと思う位置を探ることが大事だと思います。

数字と現実の不一致を味わう思考実験
数字が示す量と現実の感覚と違うということがありませんか?
そのとき、
- 「数字が示しているから正しい」と考えるか、
- 「現実の感覚に従って決定するべき」という意向を取るか
こういった状況で考え込むことがあります。
大事なのは「数字が示している量は、現実の感覚と合っていないのはなぜか?(合っているのはなぜか?)」という両方から考える必要があります。
次の問いの数字と感覚のズレの原因を考えてみましょう。
問い
コイン投げを10回行い順番に並べていきます。(表を〇、裏を●とします)
どちらの方が出現する確率が大きいでしょうか?
多くの人がAと答えるのではないでしょうか。
しかし、確率を考えると
「コインの裏表が出る確率は両方\(\frac{1}{2}\)なのだから、AもBもどちらも\(\frac{1}{2^{10}}=\frac{1}{1024}\)の確率」というのが正解です。
つまり、どちらも同じ確率なのです。
では、なぜAの方が確率が高いと答える人が多いのかを考えてみましょう。
1024通りのパターンを書き並べてみればヒントがありそうです。
(そんなことはできないので一部だけ描いてみます)

人はこの乱雑に並んでいるパターンを区別できないため、
例えば10回行えば、乱雑に並んだパターンが多くみられると思ってしまうからだと考えられます。
連続して同じ〇(もしくは●)が出現するのは奇跡であると感じているため、低い確率だと感じてしまっただけです。
このように直感が正解を妨げたり、直感が数字の誤りを見つけたりもします。
直感も数字もどちらも大事ですが、今回は数字が簡単に直感を裏切ったりする良い例だったと思います。
不条理な世の中を生き抜くための思考実験
不条理な世の中を良く抜くために、
時には「嘘をついたり」「抜け道を作ったり」して上手く困難を潜り抜けなくてはやってられません。
- 学生時代の抜き打ちテスト
- 突然振られる短納期の仕事
- 理不尽な責任を負わせられる
そのときに、
自分ならどう考えるか、自分ならどう行動するか、何を考えて何を発言して相手を動かしたり、自分を動かしたりするか探求する例題となります。
問い
抜き打ちテスト先生来週の月曜日から金曜日のどこかで英語の抜き打ちテストをするからよく勉強しておくように!抜き打ちテストだから当日にならないとわからないからよく勉強しておくように!生徒Aがーん(/・ω・)/生徒Aちょっと待てよ。生徒A当日にならないとわからないってことは、もし木曜日までなかったら金曜日にテストがあることがわかる。ってことは金曜日は絶対にテストはないぞ!生徒A待てよ!月曜日から木曜日までのどこかに抜き打ちテストがあるとすると、水曜日までテストがないとすると木曜日にテストがあることがわかってしまう!!だから木曜日もテストはないぞ!!生徒A待てよ!!!!!これを月曜日まで繰り返していくと・・・・結局どこかでテストがあることがわかってしまう!ゆえに、テストを行うことができない!!生徒A勉強するのはやめよう(‘ω’)ノ バンザイ
※結局、水曜日に抜き打ちテストは無事行われました。
生徒Aオーノー
なぜテストは実施できたのでしょうか?
これは、先生が発した「当日にならないとテストが行われるかどうかはわからない」という曖昧な言葉を鵜呑みにしすぎた点に思考の誤りがあります。
「当日にならないとテストが行われるかどうかはわからない」という意味は「月曜日から金曜日のどこかで行うよ」という1/5の確率を示しただけにすぎないのに、
「この日にテストが行わることがわかってしまっては、先生が嘘を言っていることになる」と勘違いした点に誤りがあります。
このように相手の曖昧な言葉を違った解釈をして、勘違いするケースというのがよくあると思います。
大事なのは、様々な角度から視点を巡らせて、日常の選択を正しく行う力を養っておくということです。
まとめ
人は突然の出来事(事故)が起こったときに、
- 呆然とするか
- 冷静に行動するか
- 取り乱してしまうか
の3パターンに分けられると言われています。
例)飛行機の衝突事故における
ほとんどの人が衝突事故に依る生存者は多くいたのに、その後の火災で亡くなっているとのことです。
冷静に逃げ出せるかどうかは、
日ごろから「もし~になったらどうしようか」と思考を巡らしておくことでしょう。
今回の書籍で学んだこと
自分の倫理感、直感、論理的な推論がたとえ明確であったとしても、他人と違う感覚に触れた時に、
「なるほどそういう視点もあるのか」と違う面で眺めてみることの重要性を教えてくれたと感じています。