こんにちは(@t_kun_kamakiri)
本記事では流体のベンチマーク用のの実験データを入手できるサイトを紹介します。
今回は以下の2つのサイトの中からいくつか実験データについて紹介します。
最近OpenFOAMを勉強しているので実験データとの比較を行い、より流体解析をの理解を深めていきたいと思って実験データを探しています。
色々と探している中でいくつか良い題材があったので本記事で紹介します。
OpenFOAMを勉強し始めて実験データと比較を行いたいが、ネットにある実験データを探している。
OpenFOAMに関する記事はいくつか下記にも書いていますのでご参考ください。
実機試験とのコリレーションの大切さ
「CAE解析と実測データのコリレーションをとる」といった場合に、「実験データとCAE解析によるシミュレーション結果の相関確認」ということを意味します。
要するにコリレーションとは実験とCAE結果が近しいかどうかを確認するということです。
流体現象などの物理現象をバーチャル上で再現し、製品開発や不具合対策などに活かす活動は製造業でもずいぶんと定着してきたようです。バーチャル上で再現する現象はソフト化され、今やCA解析が開発工程の一部になっていることがほとんどです。
※CAEとはcomputer-aided engineering、シーエーイーは、コンピュータによって支援された、製品の設計・製造や工程設計の事前検討などといったエンジニアリングの作業のこと。
注意すべき点は、CAE解析に至るまでの工程ではあくまで実現象を数理モデルによりモデル化し、そのモデルが偏微分方程式ことが多く手計算で求めることができないため、パソコンが解ける形に離散化し代数的に解けるようなステップを踏んでいるという点です。
なので、CAE解析をいきなり開発の工程で使用するのではなく、既に過去に実施された実験データとの比較を行い実験データとCAE解析がある程度近しいことを確認する必要があります。
この精度確認は解析の種類に応じて定量的に評価できるように取り決めをする必要があります。詳しいことは追々記事の中で話すとしてここでは割愛いたします。
流体解析での実験データを以下からピックアップします。
3-D schematic dam break and evolution of the free surface
こちらのさサイトから3次元ダムブレイクの実験データが入手できます。
3-D schematic dam break and evolution of the free surface
片側に水を配置させ、その水が崩れ落ちた先には障害物を置いて置きます。
そしてその障害物には、時刻歴で圧力データが取得できるように圧力計測器(p1~p8)を取り付けています。
この圧力データとCAE解析で得られた圧力データがどの程度一致しているのかを比較することでCAEの精度確認を行うことができます。
Turbulent Natural Convection in an Enclosed Tall Cavity
低温側19.6℃、高温側39.9℃の温度差によって流れと温度分布が生じます。
Turbulent Natural Convection in an Enclosed Tall Cavity
y方向の高さを数点選んでそのときの温度分布や速度分布を実験データとCAE解析で比較することができます。
まとめ
今回は2つだけ実験データを紹介しました。
OpenFOMAを理解するにあたって使い方をマスターすることも大事ですが、CAE解析をうまく実務に適用していくことも考える必要があります。そのためには実験データとの乖離が小さいモデルの作成が不可欠であり、今回のようなベンチマーク用の実験データを使うことでより流体解析の理解が深まる事でしょう。
当ブログでも本記事のサイトを参考に実験データとCAE解析との比較を行った結果を紹介していくつもりです。既にいくつかネット上にはそのような比較を行った結果がありますが、OpenFOAMでのモデルの作成も含め紹介するつもりです。
また、まだやられていない実験データも追々紹介できればと思います。
参考書
PENGUINさんサイトを体系的に学べる書籍となっています。ネット記事でも十分勉強できるのですが、OpenFOAMの初学者でOpenFOAMをインストール済みであれば一冊持って置き、体系的に学ぶのが良いでしょう。
あとは初心者向けに丁寧に解説がされているこちらの書籍もお勧めです。最後の章にはオーバーセットメッシュ(重合メッシュ)の機能を使った解析を最後まで丁寧に解説しているので挫折することはないでしょう。
OpenFOAMの歩き方 (技術の泉シリーズ(NextPublishing))