計算力学技術者試験というのをご存知でしょうか?
>>計算力学技術者/CAE技術者 – 日本機械学会
ざっくり言ってしまえば、
モノづくりを仕事としている人の技術レベルの向上のための試験です。
日本機械学会が主催し、毎年12月(年一回)に試験が行われています。
合格すれば認定資格を取得できます(^^)
分野が3分野あるのです。
- 固体力学:2級、1級
- 熱流体:2級、1級(単相流、混相流、燃焼流)
- 振動解析:2級、1級
僕も全分野の資格取得を目指していきたいという思いで記事を書いておきます。
熱流体1級、2級合格のためにしたことを記す。
計算力学技術者資格のための問題アプリ
計算力学技術者熱流体2級対策アプリをリリースしました。
- 下記をクリックしてホームページでダウンロードできます。
- LINE公式に登録すると無料で問題の一部を閲覧できます。
※LINEの仕様で数式がずれていますが、アプリでは問題ありません。
- 計算力学技術者の問題アプリ作成
リリース後も試行錯誤をしながら改善に努め日々アップデートしています。
備忘録として作成の過程を綴っています。
資格受験への思い
もともとの大学の専門は物理学で、数値計算でプログラミングを組んで物理現象のシミュレーションなどをしていました。
そういった勉強の延長で、シミュレーションが仕事でなどできたら良いなという思いがあり現在コンピュータのシミュレーションをしています。
ここで言っているコンピュータのシミュレーションはCAE(Computer-Aided Engineering)のことを指します。
そこで、
といったことに気付きました。
そうなんです。
CAEでモデルを構築する際の入力ミス、不適切なアルゴリズムの選択などによって、まったく見当違いの結果を得る危険性をはらんでいるのです。
これが怖いんだなって思ったわけです(笑)
CAEは信頼できる解析結果を得れば、製品開発の効率化や現象の理解に大きく貢献するツールではあるのですが、間違った解析条件で得た結果に基づいて設計・製造を行った場合は性能不足や不具合にもなりかねません。
怖いの~。。。
「何でこんなことになるのか?」というのを考えると、
「何かわからないが結果が出てしまう」というのがCAEなのです(笑)
いいのかこれ(笑)
例えば、
「\(\frac{d^2y}{dx^2}=x\)の2階微分方程式を”具体的な形”で解いてよ」と友達に頼んだら?
・・・・
\(y=\frac{1}{6}x^3+C_{1}x+C_{2}\)が答えだけど、”具体的な形”って\(C_{1},C_{2}\)を決める条件を言いなさいよって言われますよね(笑)
その条件がCAEでは境界条件だったりするわけです。
ソフトウエア上でこの条件を入力しないといけませんが、ここでデタラメ設定をしてしまったらどうなるでしょう。
言うまでもなく、デタラメな答えですね。
デタラメというのは、CAEのソフトウェアが悪いのではないのです。
ソフトの方は条件設定すると「はいよ~」って感じで計算をして結果まで出してくれるのです。
しかし、条件設定がおかしい場合、得られた結果の信憑性は無いですよねってことです。
デタラメな設定をしてしまったな~って思えればよいですが、
デタラメかどうかもわからないという場合がCAE初学者には往々にしてあるのだと思っているのです。
「デタラメな設定をしない」というのは「最適な設定を選択できる」という風に言い換えると、最適な設定を選択できるためには何が必要なのか?ということが問題になってくるわけです。
経験かな?・・・感かな?・・・・運かな?・・・
いや、知識だと思う!!
経験も大事ですが、経験積むまでいったい何をするんだってことになります。
僕はつべこべ言わずに知識を習得するべく、この「計算力学技術者試験」の勉強に励んでいこうと思うようになったのです。
「CAE専任者として、解製品開発の効率化を図り、性能向上や品質向上に貢献できる人になりたい。」といった思いがあるので、計算力学技術者試験はあくまで上記の目的に対するきっかけだと思っています。
↑こんな感じで考えて勉強を進めていきました。
現状
まずは取得した資格と取得前の知識レベルを示しましょう。
取得した分野
計算力学の熱流体の1級(混相流)、2級を一発で合格
結構勉強しましたね。
受験前の知識レベル
理学部物理の修士卒。
ただし、工学的な流体力学の知識はありません。
(特に圧縮性流体、混相流の知識はゼロ)
生物や化学出身・・・あるいは文系出身の方みたいに、完全に異分野というわけではなかったので、資格勉強するにあたって不利なこともなかったわけです。
さてここから、どのように勉強して熱流体1級・2級に合格したかを紹介しましょう。
環境を整える
まずは勉強するための道具、周辺環境やマインドを整えていきましょう。
問題集の入手
だいたい一体何で勉強すればよいのかってことです。
↑こちらサイトにある「標準問題集」を購入してください(5000円ちょっと)。
基本的に試験問題はこの「標準問題集」から出題されます。
目標を立てる
目標は「資格合格だよ」ってそういうことではなくて、ここで言っている目標とは小目標のことです。
と言うことを意味しています。
個人的な感覚ですが、 確実に合格をしたければ、目安は5周です。
標準問題集の1周目から100%の正答率を狙うことを考えずに徐々に正答率を上げていくイメージでいいでしょう。
1周目:10%程度の正答率
2周目:30%程度の正答率
3周目:60%程度の正答率
4周目:80%程度の正答率
5周目:100%程度の正答率
計画通り進んでいない場合は、確実に目標(資格合格)から遠のいていきます。計画を後で挽回しようなんてことを考えずに地道に毎日少しづつこなしていく方が賢明です。
ちなみに僕はこの5周に加えて最後の月は一日一冊を目標に解いていました。つまり問題を見て一瞬で解答していくという訓練です。
試験では、「一瞬でわかるものは一瞬で解答し、難しい問題をじっくり考える」というのが大事です。
計算力学技術者試験に限った話ではないですよね。
計算力学の資格試験は、3割くらい(類題含む)が標準問題集から出題されますので、問題集から出題されている問題は見たらわかるはずです。
ですのでそういったところに時間を費やすのはもったいないです。
一瞬で解答できるように訓練しておきましょう。
もっと具体的な目標
先ほどの問題集を何周しようかというのは、云わば年間目標です。
もっと具体的な目標は「毎日どれだけの量を勉強するか?」です。
今すぐ標準問題集の問題の数を数えましょう!!
一日どれくらいのペースで問題集をこなさなくてはいけないかということを認識できます。
例えば、「5周×(200÷100)=10問」という具合に(笑)
一日10問毎日解くってやばいです!!笑
そんな毎日できないよ~って方は、ご安心を!!
とりあえず、10問毎日解き始めるんです。
その理由を後で書きます。
勉強仲間を探す
僕がやったのはスカイプなどできる勉強仲間を探しました。
↑これが実際のサイトです。
ここでは「もくもく会」と称して、毎週1時間程度Skype上で集まって通話もせずチャットでやりとりしながらただ自分の勉強をするというだけです。
15分:もくもく勉強
5分:自分のやったことの議論&アドバイス
実際のチャットはこんな感じです。※熱流体1級(混相流)
「鼻くそがとれた」というくだらない会話もあります。。。(‘;’)
1級ともなるとなかなか参考書だけではピンポイントのほしい知識というのが見つかりません。
ネットで探して運よく見つかることもあるのですが、やはり探すのだけで時間がかかります。
そのときに勉強仲間がいれば、
これはこの参考書にありましたよ。
これはこのように考えれば解答を導けますよ。
自分はこう考えました。
など、勉強仲間のノウハウを活用することで参考書にはない知見を得られます。
合格しているイメージのみ持つ
合格するかな~ではなく、合格しているイメージしか持たない。
そうすると合格しているであろう人の行動というのが生まれるはずです。
例えば、標準問題集は5周くらいした方が良いと言いましたが、それを3周しかしなかった場合、合格できる確率は確実(100%)と言っていたよりずっと下がるでしょう。
そんなに気を張りつめてやるような勉強ではないですが、落ちるのは何となくかっこ悪い(笑)
と言うのが僕の感覚なので、落ちてもいいやくらいで受けている人は気楽に勉強していきましょう。
実際にやった勉強
実際にどんな感じの勉強をしていたかをご紹介します。
問題集を解く
ほぼ毎日のように問題を解いていたと思います。
たまに解かない日もありましたが・・・・
「5周×(200÷100)=10問」といった、一日何問解かないといけないかというのを立てたのですが、開始2週間くらいでペースが「2日で5問」くらいに落ちます(笑)
一日10問毎日解くってやばいんですよ、実際!!笑
別の参考書で勉強する
問題集だけやっていては、絶対にダメです!!
合格を勝ち取れるかどうかより内容を理解したかどうかの方が大事なので、必ず参考書で勉強しましょう。
内容が理解できたら、問題なんてすぐわかります。
合格をしたいのか、それとも実力をアップさせたいのか?どちらか考えましょう。合格だけして資格をもっていては、意味がないです。
ノートに解法とその他関連知識をまとめる
標準問題集の問題では知識がバラバラになりやすいので、それを体系立てるために色々な参考書から得た知識をひとつのノートに集約しましょう(^^)
誰に見せるわけではないので、こんな落書きみたいに書いています。
CAEで検証
実際にCAEを使って検証してみましょう。
今やCAEはフリーでも家のPCでできるようになっています。
代表的なものでいうと以下のものでしょう。
流体解析→OpenFOAM
構造解析→salome-meca,Calculix,FrontIster
僕が受験するのは熱流体なのでOpenFOAMを使ってCAEで遊んでみたりしました。
過去に行ったものとして、
・2次元円柱回りの流体解析
CAE解析を実際にやってみると面白いです。
ただし、こればっかりやっていては時間がとられてしまいます。よく計画と突き合わせて行動するようにしてください(笑)
計画と実行の差
計画を立てましょう
これに従って実際に計画を立てて実行していましたが、計画通りにはいきませんでした。
計画通りいかないとそれだけで少し嫌になりますよね。
だったらざっくり計画を立てて気軽に進めた方が良いと思います。
計画を最大限活かすためには、計画から遅れているかどうかを見るのではなく、現状を正しく認識して最終目標から逆算した計画に常になっていることが必要だと考えています。
ですので・・・・
計画は立てっぱなしではなく随時見直しましょう
計画は立てっぱなしではなく随時見直しましょう。
皆さん計画を立てて、計画通りしないといけないなどと考えてはいないでしょうか?
それは大きな間違いだと思います。
計画さえこなせば良いのかと言われればそうではありません。
もし計画さえこなせばよいのでしたら、「問題集を淡々とこなし、わからない問題を浅く理解」といった具合にすれば計画通りにいくでしょうね。
しかし、わからない問題や解説を読んでも理解できない問題は、適当な理解で進めてはいけません・・・
その都度別途参考書で勉強する必要があります。
「当初立てた計画通りにしなくちゃ」が勝ってしまってはいけないのです。
当初の計画通りに進んだぞーって意気揚々と試験会場に行っても浅い知識のままでは無残に散るだけです。
計算力学技術者試験の「受験の目的と最終目標」を今一度確認しましょう!!
計画はある種の進捗の見通しであって一日ずれたって目的から大きくずれるわけではありません。
計画は、「適切な現状把握と今後」をよく把握した上で練ってこそ意味があるものです。
ですので、本当は経験豊富な講師の人に今の自分の実力をテストしてもらって適切な計画を立ててもらう方が良いでしょう。
そのような講師なんてなかなかいません。
だったら自分で適切な現状把握をするしかないのです。
勉強開始当初は、
「5周×(200÷100)=10問」
みたいにして計画を立てて、毎日10問も解けるか!!ってなりました。
理由は「わからない単語を調べるのに時間がかかる」「問題がどんどん難しくなる」など・・・・
計画を立てた当初は自分の不足知識はどこなのか、自分の実力がどこまであがって、あがったことによって学習スピードがどのように変わるかまではわかりません。
だから計画と実行に差が生まれるのは当然です。
これが当初の計画だったら、計画なんて見直さなくても良いのですが、こんなに後半に標準問題集の進みが良くなるなんて予測することができません(笑)
標準問題集の1周目は、わからない単語や用語を調べたり、理解をするのに時間がかかるのですが、2週目以降は一度見た問題なので理解のスピードも違うはずです。
ですので、勉強の当初は後半に学習スピードがこんなにあがることを予想していなかったのです。
隔週くらいで計画を見直して、今の自分の実力ならこんなペースでできるはずだという具合に計画を見つめなおすことでより最適な計画立案ができるでしょう(計画立案は自分にするのですが)。
その時に、合格するための別案を提案してみても良いでしょう。
「定着率の確認のため、やりっぱなしではなく3章ごとに確認テストを行う」など・・・
講習は受講する方が良いか
結論から言うと受講した方が良いと思います。
個人的な感覚ですが、素人から計算力学の資格を勉強すると習得するのに必要な勉強時間を示します。
2級:6か月
1級:8か月
これくらいの勉強期間は欲しいです。
※この目安は数学も物理もCAEの周辺知識も全くの素人と想定した場合です。
僕は数学と物理の知識があったので、計算問題はわりとすうなりいった方です。
2、3週間だけ標準問題集をさくっと勉強して合格する人もいるでしょう。
しかし、惑わされてはいけません。
それぞれのスタートした時の知識・経験が違うのでまず勉強する前に適切な現状把握をしてから必要な勉強期間を決めましょう。
でもどんな分野も半年くらいあればだいたい身に付くものです。
半年+α勉強すればよいという僕の見通しはあながち間違いではないと思います。
長く見て約1年もの間、勉強を続けることになります。
いわばこれは受験勉強です。
受験勉強で大事なのは、モチベーションです。
大学受験や高校受験なら、合格した後の生活をイメージしたりしてモチベーションを保ったりしますよね。
ましてや学生の受験は合格しなければ路頭に迷います。
計算力学などの資格試験に合格できなかったところで、今の生活が大きく変わるわけではないので、学生での受験勉強と危機感が違います。
モチベーション維持のために講習などに参加して、共に勉強している人と交流したり講師の人にアドバイスなどをもらう方がよいでしょう。
時期としては、8月や10月くらいの講習会などに参加するのが良いでしょう。
資格取得後
引き続き勉強を
今一度資格の勉強をはじめた目的を再確認しましょう。
一般的に資格は、「その道の専門家たちがこれだけは知っていてほしいと考えるところをカタチにしたもの」です。
「資格所有者=その分野のある最低ラインの知識をクリアしている人」にすぎません。
資格に合格したらそれで満足するのではなく、引き続き勉強は続けましょう。
CAE解析もやりましょう
計算力学技術者の資格は、CAE専任者の必要な知識を問うものでしたので、CAE解析で実践してさらなる知識を磨かきましょう。
CAE解析は結果だけ見れば簡単にやっているように見えますが、そこには
- どういった数理モデルを使用するか
- どういった離散化で解くか
- メッシュサイズはいくつにするか
- タイムステップはどれくらい細かくするか
など、試行錯誤して結果を出しています。
その時に誤った選択をしないために資格の勉強をしたとも言えます。
ですのでこればっかりは机上でおしまいではなく実際にCAE解析ソフトを使って、体験して失敗・成功を繰り返すしかありません。
資格取得した感想
資格を取得したことにより、達成感はあります。
資格がないとどのようにその人の実力を測ればよいかわかりませんが、この資格(この知識レベル)を持っているということで、ある程度の実力の証明にもなるのかと思っています。
ですので、その証明が果たせるように資格取得後も勉強を続ける必要があるのです。
熱流体1級の混相流の勉強がとてもつらかったです。
おそらく完成された分野ではないのでしょう。
ネットで探してもほしい知識が得られないし、そもそも参考書が少ないです。
しかも問題集の解説を読んでも素人にはピンときません。
資格勉強は意味があるのか?
資格自体に意味はないでしょう。
資格の勉強をすることには意味があります。
「資格なんて勉強しても意味ないよ」と言う人がいたら、注意しましょう。
そもそも「あなたは資格試験を受けたうえで言っているのでしょうか?」ってね(笑)
それでも意味がないなと感じたら仕方ないですが・・・
確かに実務で既に資格試験を軽く合格するくらい知識が身についている人が受けても意味はないかもしれませんね。
個人的にはCAEの経験が浅い人は受けた方が良いと思います。
資格の勉強をすることで、単純に知らないことに頻繁に出会うのでそれだけで調べたり別のアンテナを張ったりして経験値が増えます。
実務だけでは知識が偏ってきますので、視野を広げることで今の実務の位置づけがよくわかります。
試験の出来ばえ
熱流体2級
「63/70問中」くらいは確実に合っているなっていう感じです。
70%以上で合格なので、十分合格圏内に入ったなっていう感覚でした。
熱流体1級
これは「7割以上の正答の分野が4or5くらい」で全問不正解の分野はなかったと思います。
※1級だけ合格基準が「7割以上の正答の分野が3分野以上、かつ全問不正解の分野が2分野以下」なのです。
時間も半分くらい余ったので、見直しを死ぬほどしました(笑)
もし資格に合格できなかったら・・・
特に気にしていなかったでしょう(笑)
まわりに何回も受験してようやく合格した人だっているのですから。
勉強は続けることに意味があります。
でも資格のためだけの小手先の受験テクニックをしていては何度受験しても、たてえ合格しても意味がありません。
この記事で書いたように、
目的を見失わず勉強をすることで、たとえ合格しなかったとしても勉強したことは確実に身になっているはずと感じています。
今後
今後は残りの分野も受けていこうと思います。
- 固体力学:2級、1級
- 振動解析:2級、1級
目的はあくまで↓これなので。
そして認定証をもらいました(もらってから1年後にTweet)
昨年は「熱流体」を受けました。
今年は固体1級勉強します✨ pic.twitter.com/bhM3nzJwWm
— カマキリ🐲@PythonとDjango勉強中 (@t_kun_kamakiri) April 10, 2019
参考書
熱流体2級・1級までを合格するにあたって使用した参考書を挙げておきます。
2級おすすめ参考書
熱流体の2級の基礎知識においてはわかりやすい参考書です。
これだけ勉強していても「流体力学の基礎理論」は身に付きますが、これだけでは不十分です。
上記に加えて、乱流モデルの知識も身に付けておく必要があります。
熱流体2級の乱流モデルの知識を問う問題は、これを一通り目を通していればまず問題ないでしょう。
1級おすすめ参考書
熱流体1級の混相流は範囲がとても広くて、「これ!!」っていう参考書がありません。
僕自身ほとんどネットの情報で勉強していきました。
しかし、体系立てて勉強するためには一冊参考書が合った方が良いと思います。
そう思って買ったのがこちらの10000万円するハンドブックです。とても良いです。
また、熱流体1級(混相流)の第7章の「沸騰」あたりの分野の記述が真ん中あたりに詳しく記述されています。
混相流の中でも最も学びにくいであろう分野が第7章の「沸騰」だと思いますので、まとまった記述がされている参考書は多くはないです。
これで勉強すれば混相流の7章は大丈夫です。
失礼します.
差し支えなければ教えてほしいのですが,このノートは,2級と1級どちらのものでしょうか?
現在機械工学系の修士で,熱流体を申し込もうと思っているのですが,1級を受けるのに多少迷っています.
できれば1級も取りたいのですが,研究をしながらなので,それほど集中して勉強する時間もなく(研究はコンピュータシミュレーションで電磁場解析的なことをやっています.)
余りにも受かりそうにないなら今年はやめておこうと思っています.
あまりお金もなく,問題のレベル確認のためだけに5000円払って問題集買うのも億劫なので…
お読み頂きありがとうございます。
このノートとはブログ内に書いた僕の手書きのまとめノートのことでよろしいでしょうか?
こちらは熱流体の1級(混相流)の内容です。
ご存知かもしれませんが、熱流体の1級だけ「単相流、混相流、燃焼流」と3分野あり、そのうち1つを選択して試験することになります。
単相流は、流体の学問としては勉強しやすいが、試験の問題は難しく記述では数式を使った理論が多く、そこで苦戦するらしいです。
混相流は、試験自体はそれほど難しくはないですが、勉強するための参考書が少ないため、かなり勉強するのが大変です(ネットや論文を読んだりして勉強していました)。
燃焼流は、よくわかりません。
【試験の難しさ】
単相流>混相流>燃焼流
【勉強のしにくさ】
燃焼流>混相流>単相流
といったイメージです。
>研究をしながらなので,それほど集中して勉強する時間もなく
そちらの流体の知識レベルがわからないのであくまで推測ですが、上記のようなことであれば、2級だけにしてじっくり勉強することをお勧めします。
時間がない中で1級の勉強もするのは、かなり苦痛です(笑)
しかも、1級は流体のCAE解析ソフトを使っている人向けの試験内容であると感じました。
コンピュータのシミュレーションだけではなく、CAEソフトや流体解析の解法の特徴も問われるため、もしかしたら質問者様には必要ない知識も勉強しなくてはならないかもしれません。
2級はむしろ単相流の中の流体全般の浅いですが広い知識が問われます。
合格率も高く易しめです。
金銭的な面と勉強時間ですが、
問題集(5000円)・試験料(12000円)・合格認定料(3000円だったか?)がかかるので1級・2級だと倍のお金が必要です。
さらに1級は2級以上に難しいので勉強量も倍以上になります。
僕は会社のお金で全て受けているので、社会人になって会社の推薦とかで受けさせてもらえるなら金銭的にはその方が良いです。
(会社に依りますが)
参考になれば幸いです。
お返事ありがとうございます.
学部の頃は流体力学にも比較的興味を持っており,ノートの内容が1級の内容なら,
勉強したことのある内容もある程度はあるので受けてみようと思いましたが,
数式を使った記述問題もあるのですね.
5年持つみたいなので,今年は2級のみにして,
1級は就職してから受けようと思います.
参考になりました.ありがとうございました.
決断がついたようで大変良かったと思います。
例えば時間が許せば、オープンCAEなどで検索して調べてみてください。
有志で勉強会を開いている(格安)ので、勉強熱心な方々と接することができると思います。
ご存知かもしれませんが、流体解析はフリーでOpenFOAMといのが有名ですので、情報までお伝えしておきます。
[…] 計算力学技術者試験(熱流体)の1級2級に一発で合格するためにしたこと。 […]
[…] 計算力学技術者試験(熱流体)の1級2級に一発で合格するためにしたこと。 […]
「おすすめ参考書」が表示されていないのですが、2級おすすめ参考書のタイトルを教えていただけないでしょうか。
こちらでは表示されていますが、セキュリティ的な問題かブラウザの問題かもしれません。
以下に記事の内容を添付いたします。
熱流体2級・1級までを合格するにあたって使用した参考書を挙げておきます。
【2級おすすめ参考書】
■流体力学 (JSMEテキストシリーズ)
熱流体の2級の基礎知識においてはわかりやすい参考書です。
これだけ勉強していても「流体力学の基礎理論」は身に付きますが、これだけでは不十分です。
上記に加えて、乱流モデルの知識も身に付けておく必要があります。
■乱流の数値シミュレーション 改訂版
熱流体2級の乱流モデルの知識を問う問題は、これを一通り目を通していればまず問題ないでしょう。
【1級おすすめ参考書】
熱流体1級の混相流は範囲がとても広くて、「これ!!」っていう参考書がありません。
僕自身ほとんどネットの情報で勉強していきました。
しかし、体系立てて勉強するためには一冊参考書が合った方が良いと思います。
そう思って買ったのがこちらの10000万円するハンドブックです。とても良いです。
■改訂 気液二相流技術ハンドブック
また、熱流体1級(混相流)の第7章の「沸騰」あたりの分野の記述が真ん中あたりに詳しく記述されています。
混相流の中でも最も学びにくいであろう分野が第7章の「沸騰」だと思いますので、まとまった記述がされている参考書は多くはないです。
■伝熱工学 (JSMEテキストシリーズ)
これで勉強すれば混相流の7章は大丈夫です。