OpenFOAM

【OpenFOAM】直方体の異なるメッシュの境界を結合する

こんにちは(@t_kun_kamakiri

本記事では異なるメッシュの境界を結合する方法について解説します。
メッシュの結合には、OpenFOAMで用意されている以下のユーティリティを使います。

  1. mergeMesh:2つのメッシュ情報を合体する
  2. stitchMesh:2つの境界を結合する

直方体の場合

直方体形状はblockMeshDictを載せましたのでそちらをご参考ください。
前回の記事では円筒形状でも同じことをしてみました。結果はうまくいかない部分があったのですが、今回の直方体だとどうでしょうか。

OpenFOAM-v2212(WSL)

直方体の形状ならどうなるか(結合できるか)

円筒形状だとstitchで結合できないサーフェスができましたが、以下のような直方体ならどうでしょうか。

円筒のときと同じ流れでメッシュを結合します。

mesh001

まず1つ目の20×20×100の直方体を用意します。

system/blockMeshDict

blockMesh実行します。

mesh002

同じく2つ目の20×20×100の直方体を用意します。
ただしx-y方向のメッシュ数はmesh001のよりx-y各方向で2倍にしています。
また、メッシュ生成後にz方向に100mm平行移動します。

system/blockMeshDict

blockMesh実行後に100mm平行移動するのを忘れずに。

mergeMesh(mesh001とmesh002を合体)

mesh001をコピーしてmesh001のメッシュとmesh002のメッシュを合体します。

メッシュ情報がひとつになっただけで境界は合体していません。

stitchMesh(境界を結合)

mesh001とmesh002を合体させたmergeMesh001_002をstitchMesh001_002にコピーしてoutlet_inlet面とoutlet_inlet面を結合します。

polyMesh/boundary

inlet_outlet面とoutlet_inlet面は結合したので面の数が0になっています。

どうやら直方体の場合はうまく面倒が結合しているみたいです。

まとめ

前回、円筒の場合だと上手く両方の面が消えてくれず残ってしまいましたが、直方体の場合は上手く境界の両方の面が消えて結合されました。

円筒の場合のような残った面は側面の面に変わっているようなので、壁条件として解析すれば円筒内流れとしては問題ないのではないかと思います。

気になるようでしたらmergeMeshしたあとに「outlet_inlet」と「inlet_outlet」面は周期境界 (格子の切り方が違う2面をつなぐ Cyclic Arbitrary Mesh Interface (cyclicAMI)タイプ)で設定した方が良いかもしれません。

次回、今回結合させたメッシュで円筒内の流れを解析してみます。
stitchMeshでつながない場合と違いが出るのか確かめます。

おすすめ参考図書

☟こちらは、OpenFOAMの日本語書籍として重宝しているわかりやすい参考書だと思います。

OpenFOAMによる熱移動と流れの数値解析(第2版)

OpenFOAMによる熱移動と流れの数値解析(第2版)

3,520円(04/26 10:19時点)
Amazonの情報を掲載しています

☟こちらもOpenFOMの古いバージョンでの和訳になります。さすがにこちらはバージョンに対する日本語でのケアはしていないので、OpenFOAMに慣れている方は購入しても良いかと思います。僕は「日本語でまとまっている内容」なので少し重宝しています。

OpenFOAMプログラミング

OpenFOAMプログラミング

Mari´c,Tomislav, H¨opken,Jens, Mooney,Kyle
8,250円(04/26 20:12時点)
Amazonの情報を掲載しています

☟以下に、もっと初心者向けの同人誌を紹介しておきます。
初心者は「ってか、まずどうやってOpenFOAMをインストールするの?」というところからつまずきがちです。
そんな時は、以下の書籍をおすすめします。

改訂新版 OpenFOAMの歩き方 (技術の泉シリーズ(NextPublishing))

改訂新版 OpenFOAMの歩き方 (技術の泉シリーズ(NextPublishing))

川畑 真一
1,320円(04/26 18:04時点)
発売日: 2022/04/15
Amazonの情報を掲載しています

インストール方法とチュートリアルで流体解析を体験・・・ちょっと高度な解析まで解説があります。著者曰くOpenFOAMのバージョンの追跡を行いながら、書籍をアップデートするようなので安心ですね。

関連記事もどうぞ

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です