OpenFOAM

【第1回OpenFOAM熱流体解析】FLUENTメッシュをSTLに変換するには?具体的な手順

こんにちは(@t_kun_kamakiri

本記事ではOpenFOAMを用いた熱流体解析の設定手順について解説を行います。
具体的には自然対流下でのマネキン周りの熱量を計算し、対流熱伝達と熱ふく射における影響度を調べることを目的とします。

今回はマネキンのモデルを入手しメッシュ作成を行う前段階の準備を行うことにします

こんな人を対象
  • OpenFOAMを用いて流体解析を勉強している人
  • OpenFOAMで熱流体解析(ふく射込み)を試したい人

入手したマネキンのモデルが以下のいずれかでしたので、今回はFLUENTモデルを入手し外部モデルを作成するために、いったんstlファイルに変換する方法を取りました。

  • FLUENT👈これ
  • STAR-CD
  • SCRYU/TETRA
  • CGNS

本記事の方法がベストな方法とは思いませんが、他にやり方があれば教えていただけると幸いです。

OpenFOAM v2412(WSL Ubuntu 22.04)

フォルダ作成

まずは、フォルダを作成していきます。

次回、メッシュ作成を行うにあたってsnappyHexMeshcfMeshの2つの方法を試します。ゆえに、フォルダ構成を以下としておきます。

本記事ではmodelフォルダにマネキンモデルを入手します。

マネキンのモデルを入手

マネキンのモデルは👇こちらの研究室より入手させていただきました。
九州大学大学院 総合理工学研究院 エネルギー環境共生工学部門 伊藤研究室

成人女性を対象とした子供モデル。
身長:1.584m、体表面積:1.317m2、体積:0.040m3。
体表面のトリゴンメッシュ数:約36,000メッシュ。表面は17セグメントに分割。

modelフォルダにFluent形式のvm_sitaf.lzhをダウンロードします。

 

解凍します。

無事、解凍できればvm_sitaf.casファイルができています。

FLUENTからOpenFOAM形式へ変換

OpenFOAMにはFLUENT形式からOpenFOAM形式への変換を行うコマンドが存在します。
そのためにはOpenFOAMのフォルダ構成を用意しておく必要があるため、事前に適当なチュートリアルをコピーしてく必要があります。

以下のコマンドでチュートリアルのコピーを行います。

$FOAM_TUTORIALS=/usr/lib/openfoam/openfoam2412/tutorials/を意味します。

OpenFOAMへの変換は以下のコマンドで可能です。

これによりconstant/polyMeshの情報は女性のマネキンのメッシュ情報となりました。

空のpost.foamを作成してParaViewで確認してみましょう。

stlファイルへ変換

何かとstl情報にしておく方が便利なのでstlに変換しておきます。

stl情報も確認しておきましょう。
まずは、ParaViewで可視化します。

vm_sitaf.stlのファイルの中も見ておきましょう。

まとめ

本記事ではOpenFOAMを用いた熱流体解析の準備としてマネキンモデルを入手し、stlファイルに変換する方法を解説しました。

次回は、snappyHexMeshを用いたメッシュ作成を行います。

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