どうも。(@t_kun_kamakiri)
自宅でCAE解析をしたいな~って思ったことありませんか?
僕はめちゃくちゃあります。
本記事は、そんな「自宅でCAE解析を体験したい」、あるいは「研究でCAE解析をしたい」という人に向けてフリーのCAE解析をソフトを使えば簡単にできるという内容をお伝えしたいと思います。
今回使うオープンソースのCAE解析ソフトが、↓こちら
Elmerです。
- 自宅でCAE解析をしてみたい方
- 趣味でCAE解析をしてみたい方
- お金がないのでCAE解析を体験したい方
本記事ではElmerの中のインストールをインストールしてみたので少し紹介したいと思います。
※PCの環境
- Windows10
- Intel Core i7@2.50GHz 2.6GHz
- メモリ8G
8万円で買ったmouseというメーカーです。
安くて壊れやすいみたいです1年半くらい使っています。
ダウンロードするべきフリーソフト
CAE解析には、以下の3つの流れがあります。
- プリ処理:モデル作成(CAD)、メッシュ作成、解析条件の設定
- ソルバ:プリ処理で設定した解析条件で方程式を解く
- ポスト処理:解いた結果を処理する
青色で色付けした部分をElmerが担います。
Elmerというソフトは、基本的には「単純なメッシュ生成」「解析条件の設定」「設定した解析条件で方程式を解く」ということができるソフトです。
だから、モデルの作成や結果処理はElmerは担っていません。
フリーソフトFreeCADのインストール(モデル作成用)
本記事でFreeCADは使いませんが、モデル作成用のソフトで最も使いやすいと感じているのはFreeCADです。
FreeCADについて
FreeCADはオープンソースの汎用3D CAD モデラー。
(構造解析も可能)
主に機械工学やプロダクトデザイン向けでありますが、それにとどまらず建築やその他の専門分野など工学全般での利用に適しています。
現在、開発途中でアルファ版やベータ版の段階にあります。
※もう一度言いますが、本記事ではFreeCADは特に使いませんので、インストールしなくても進めることができます。
フリーソフト Elmerのインストール
それでは、本記事の主役のElmerをインストールします。
少しわかりづらいので、どこからインストールできるのか絵を貼っておきます。
↓下記のサイトよりインストール
MPI版(並列計算用)などもありますが、どちらでも良いでしょう。
僕は、MPI版ではない方をインストールしました。
フリーソフト Praview(結果の可視化用)
これは本記事でも使いますので必ずインストールが必要です。
https://www.paraview.org/download/
Paraviewについて
ParaViewは科学技術可視化の並列化と対話操作のための、自由に利用できるオープンソースプログラム。
Elmerとは
では、Elmerについて簡単に紹介しおきましょう。
Elmer は偏微分方程式を解くための有限要素法 (FEM) ソフトウエアパッケージです。
Elmer は非常に多種の方程式の取扱いが可能です。さらに方程式は一般的な形での連成が可能であり、そのことによって Elmer はマルチフィジカルなシミュレーションのための汎用ツールとなっています。また Elmer はオープンソースであるため、既存の解法の変更、あるいはユーザの要求に沿ったソルバの開発が可能です。
ごちゃごちゃ書きましたが、以下のものは解くことができるソフトだっていうことです。
- 熱伝達: 伝導、放射、相変化のためのモデル
- 流体: ナビエ・ストークス、ストークス、レイノルズ方程式、k-ε モデル
- 化学物質輸送: 一般的な移流拡散方程式
- 弾性学: 一般的な弾性方程式、板・シェルのための次元縮小モデル
- 音響学: ヘルムホルツ方程式
- 電磁気学: 静電気、静磁気、誘導
- マイクロ流体工学: すべり条件、ポアソン・ボルツマン方程式
- レベルセット法: オイラー自由境界問題
- 量子力学: 密度汎関数理論 (コーン・シャム方程式)
「構造解析」「流体解析」はもちろんのこと、「音響解析」「量子力学の問題(ちょっとマニアック)」なども解くことができるソフトだそうです。
これが無償っていうのがすごすぎます!!
↓概要は下記のドキュメントが参考になります。
こちらのドキュメントは英語ですが、日本語に訳してくれている資料もあります。
Elmerの英語のドキュメントはかなり豊富
英語のドキュメントはかなり豊富です。
残念ながら日本語のドキュメントはほとんどないのでとっつきにくい人も多いかもしれませんが、英語のドキュメントを読むだけでも結構使いこなせることができます。
http://www.nic.funet.fi/pub/sci/physics/elmer/doc/ElmerModelsManual.pdf
「Document」から資料は入手することができます。
解析モデルの理論の説明
まず、解析モデルの理論を知りたいという方はこちらの資料がホームページの「Document」から入手できます。
http://www.nic.funet.fi/pub/sci/physics/elmer/doc/ElmerModelsManual.pdf
どんな感じか中を覗いてみます。
個人的に馴染みがある流体解析で使う「Navier-Stokes方程式」の解説です。
- Introduction
- Theory
- Keyword
という3部構成で解説がされています。
※「Keyword」はElmerのGUI上のKeywordということです。
Elmerのチュートリアルとそのサンプルモデルで解析ができる
すごいのがここです。
↓下記のようなElmerのチュートリアル解説がホームページの「Document」から入手できます。
http://www.nic.funet.fi/pub/sci/physics/elmer/doc/ElmerTutorials.pdf
この資料は以下のことが書いてあります。
- Elmerを使ったGUI上の解析設定の手順
- 解析で使うサンプルのモデルの入手先
※解析サンプルの入手先はどこかをドキュメント内で説明してありますがわかりにくかったです。(git内のある階層のフォルダを見てくれ的なことが書いてありました)
でも、「実はここから」入手できるんですよね。
Elmerのチュートリアルをやってみよう
では、先ほどのチュートリアルのドキュメントを見ながらCAE解析を体験したいと思います。
(例)流体解析 カルマン渦の生成
チュートリアルから今回行ったのは「カルマン渦」についての解析内容です。
結果
結果処理にはParaviewを使用しています。
これが自分でやってみた結果です。
まとめ
本記事ではElmerのインストールをしてみたという内容とドキュメントの中身を簡単に紹介してみました。
誰でも使いこなせるElmerを無料で体験できるので興味がある人は是非やってみてほしいと思います。
☟こちらでは、無償で使えるCAE解析ソフトの例をまとめているので是非合わせてお読みください_(._.)_