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ハミルトンの原理:解析力学とのつながり

2019/01/22
 
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どうも(^^)/

本日はタイトル通り「ハミルトンの原理」について説明したいと思います。

 

ハミルトンの原理について説明した後の全体の流れを以下に示します。

(1)ハミルトンの(変分)原理←本日の内容

        ↓あれ?

(2)ダランベールの原理っぽいね?

        ↓一般座標、一般速度に変換

(3)あ、ラグランジュ方程式だ!!

 

と、こんな感じで学べばどうかと考えております。

 


(1)⇒(2)⇒(3)の概要を話しておきます。

ハミルトンの原理にある物理的な背景などを理解することで、そこから導かれたラグランジュ方程式というのも理解できるはずです。

そして、(2)から(3)に移るときに、一般座標・一般速度用いているから、

ラグランジュ方程式(というより解析力学という学問は)、やはり【第1報】で説明した通り、

ニュートン力学をより美しく一般的な形式に従って運動を記述できるようにしたもの(学問)であると結論づけれると言えます

 

いきなりランダウ=リフシッツの”力学”読んだら物理で絶望する説


 

前段はこれくらいにして、それではやりましょう♪

 

ところでハミルトンの原理ってご存知でしょうか?

 

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ハミルトンの原理

 

絵と文面で示したいと思います。

 

経路\(C\)を通るような運動を考えます(ここでは本当に経路と考えても良いともいます・・)。

その経路\(C\)から少しづれた経路\({C}’\)というのを考えます。
※両端のA点、B点は固定しているものとする。

  • 経路C上の点\(A(x,y,z)\)
  • 経路\({C}’\)上の点\(B(x+\delta x,y+\delta y,z+\delta z)\)

※ここでは同時刻での「\(C\)の経路上の点A」と「経路\({C}’\)上の点B」を考えているということに注意しましょう。

 

ところで、点Aから点Bにずらしたのですから、ずらすための仕事が必要です:\(\delta W\)

\(\delta W\)の分だけ点Bでの運動エネルギーが増加していますね:\(\delta T\)

こういった状況を考えた時、

「初めに考えた経路\(C\)の運動が実現されるようなものの必要条件は、ちょっとずらした経路\({C}’\)の運動を仮想するとき、つねに下記のような式が成り立っている」

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}(\delta T+\delta W)dt=0\cdot\cdot\cdot (1)\end{align*}

 

これがハミルトンの原理です。

・・・

・・・

なんともわかったような、わからないような・・・

これは単にエネルギーの保存則を言っているだけではないのか?と思ってしまいます。

 

(個人的に)少ししっくりこないのでハミルトンの原理を導いてみましょう!!

 

ハミルトンの原理を導く

 

さて、なにから考えようか・・・

 

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}(\delta T+\delta W)dt=0\cdot\cdot\cdot (1)\end{align*}

 

この(1)式の運動エネルギー\(T\)から考えましょう♪

 

質点を考えるならば、運動エネルギーは

\begin{align*}\frac{1}{2}m\dot{\boldsymbol{r}}^2\cdot\cdot\cdot (2)\end{align*}

と、このように書けることは既知であります。

ここでは、\(\boldsymbol{r}=(x,y,z)\)としてベクトル表記に変えました。

 

まずは、\(\delta T\)から考えましょう。

 

\(\delta T={T}’-T\)ですね(^^)

\begin{align*}{T}’=\frac{1}{2}m(\dot{\boldsymbol{r}}+\delta\dot{\boldsymbol{r}})^2dt\end{align*}

ですので、

\begin{align*}\delta T={T}’-T=m\dot{\boldsymbol{r}}\cdot\delta\dot{\boldsymbol{r}}\cdot\cdot\cdot (3)\end{align*}

と、このようになります。

 

ですので、

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}\delta T dt=\int_{t_{0}}^{t_{1}}m\dot{\boldsymbol{r}}\cdot\delta\dot{\boldsymbol{r}}\end{align*}

ここで、

\begin{align*}delta\dot{\boldsymbol{r}}=\frac{d(\delta \boldsymbol{r})}{dt}\end{align*}

でありますので、

※わかりやすい説明はFun Fun 物理←こちらへ

 

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}\delta T dt=\int_{t_{0}}^{t_{1}}m\dot{\boldsymbol{r}}\cdot\frac{d(\delta \boldsymbol{r})}{dt}dt\end{align*}

と、このようになりますね。

 

これまでの僕のブログ【第1報】からお読みの方は散々見かけたと思いますが(というよりは僕は散々やりましたが)、右辺\(\frac{d(\delta \boldsymbol{r})}{dt}\)に着目して部分積分をやってやればよいのでしたね。

 

すると、

(右辺)=

\begin{align*}[m\dot{\boldsymbol{r}}\cdot\delta\boldsymbol{r}]_{t_{0}}^{t_{1}}-\int_{t_{0}}^{t_{1}}m\ddot{\boldsymbol{r}}\cdot\delta \boldsymbol{r}{dt}\cdot\cdot\cdot (4)\end{align*}

 

ここで、系を変えてもA点、B点は固定した状態を考えているので\(t=t_{0}\)、\(t=t_{1}\)では第一項は0となります。

 

さらに、(4)式第二項の中身に着目して、\(m\ddot{\boldsymbol{r}}\)があると思いますが、

これはニュートン力学の第二法則\(m\ddot{\boldsymbol{r}}=\boldsymbol{F}\)の形ですね。

そうすると(4)式の右辺は、

(右辺)=

\begin{align*}-\int_{t_{0}}^{t_{1}}\boldsymbol{F}\cdot\delta \boldsymbol{r}dt\cdot\cdot\cdot (5)\end{align*}

 

それで、見やすくするために、

\begin{align*}\delta W=\boldsymbol{F}\cdot\delta \boldsymbol{r}\end{align*}

とおくと、最終的に(4)式というのは、

 

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}\delta T dt=-\int_{t_{0}}^{t_{1}}\delta W{dt}\end{align*}

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}(\delta T +\delta W)dt=0\cdot\cdot\cdot (6)\end{align*}

と、このようになります♪

 

やりました(^^)/

 

ハミルトンの原理を導けました♪

 

当たり前じゃないか・・・(笑)

 

 

と、自分で色々計算して最終的に(6)式を導いたのですが、どうも当たり前のようにしか思えません。

まず、

運動エネルギーを\({T}’=\frac{1}{2}m(\dot{\boldsymbol{r}}+\delta\dot{\boldsymbol{r}})^2\)とこのように決めて進めたこと、

ニュートン力学の第二法則\(m\ddot{\boldsymbol{r}}=\boldsymbol{F}\)を途中で使ったこと・・・

これから導いたので、少々当たり前の結果にしかなっていないような気がします。

 

なぜなら、ニュートン力学の第二法則\(m\ddot{\boldsymbol{r}}=\boldsymbol{F}\)からエネルギー保存のような(6)式を逆に導くことができるからです。

一応やりましょう♪

運動方程式からエネルギー保存を導出

 

\begin{align*}m\ddot{\boldsymbol{r}}=\boldsymbol{F}\end{align*}

と、ここで\(\boldsymbol{F}=-\boldsymbol{\nabla}U\)のような形の時間に依存にあらわに依存しないポテンシャルエネルギーと考えましょう・・・

の両辺に\(\dot{\bf{r}}\)で内積をとって式変形していけば良いのですね。

 

\begin{align*}m\dot{\boldsymbol{r}}\cdot\ddot{\boldsymbol{r}}=-\boldsymbol{\nabla}U\cdot\dot{\boldsymbol{r}}\end{align*}

 

とここで右辺について考えると、

\begin{align*}\frac{U(x,y,x)}{dt}=\frac{\partial U}{\partial x}+\frac{\partial U}{\partial y}+\frac{\partial U}{\partial z}=\dot{r}\cdot \nabla U\end{align*}

となりますね。

さらに、左辺については\(\dot{\boldsymbol{r}}\cdot\ddot{\boldsymbol{r}}=\frac{1}{2}\frac{d}{dt}\big(\boldsymbol{\dot{r}}^2\big)\)となりますね。


※補足説明
>>合成微分(または>>積の微分)を使っております。


 

すると、右辺を左辺に持ってくることで、

\begin{align*}\frac{d}{dt}(\frac{m}{2}\boldsymbol{\dot{r}}^2+U)=0\end{align*}

これを(6)式と似た感じで、

\begin{align*}\frac{d}{dt}(T+U)=0\cdot\cdot\cdot (7)\end{align*}

としてやります。

 

なんかさらっと、(6)式っぽい感じになりましたな(笑)

 

ところで、(7)式は、

時間に対して「\(T+U\)は一定値だよ」と物語っています。

 

つまり、

運動方程式からは、「\(T+U\)←エネルギー」が時間に対して保存している

と言うことができます。

 

ハミルトンの原理は何を物語っているのか?

 

運動方程式から導かれる(7)式と言うのが何を物語っているのかはわかりました。

では、ハミルトンの原理は何を物語っているのでしょうか?

そういえば前段で言いましたね(笑)

 

↓こちらです。

「初めに考えた経路\(C\)の運動が実現されるようなものの必要条件は、ちょっとずらした経路\({C}’\)の運動を仮想するとき、つねに下記のような式が成り立っている」

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}(\delta T+\delta W)dt=0\cdot\cdot\cdot (1)\end{align*}

これ、やっぱり保存則を言っているようにしか見えません(僕には)

 

違う観点で理解できないか?

 

ここで、もし今考えていた\(\boldsymbol{F}\)がポテンシャルエネルギーに起因するものだったらどうなるのでしょうか?

ポテンシャルエネルギーであるので、

\begin{align*}\boldsymbol{F}=-\boldsymbol{\nabla}U\end{align*}

と書けますね。

 

そうすると、

\begin{align*}\delta W=\boldsymbol{F}\cdot\delta \boldsymbol{r}\end{align*}

はどうなるのかというと、

\begin{align*}\delta W=\boldsymbol{F}\cdot\delta\boldsymbol{r}=-\boldsymbol{\nabla}U\cdot\delta\boldsymbol{r}=\delta U\cdot\cdot\cdot (8)\end{align*}

 

途中計算をはしょり過ぎですかね(笑)


念のため丁寧に計算しておきます。

\begin{align*}-\boldsymbol{\nabla}U\cdot\delta\boldsymbol{r}=-\big(\frac{\partial U}{\partial x}\delta x+\frac{\partial U}{\partial y}\delta y+\frac{\partial U}{\partial z}\delta z\big)\cdot\cdot\cdot (8.1)\end{align*}

ところで、\(U(x+\delta x,y+\delta y, z+\delta z)\)のテーラー展開を考えます。

\(\delta x\)、\(\delta y\)、\(\delta z\)の2次の項は無視しましょう。

\begin{align*}\delta U=U(x+\delta x,y+\delta y, z+\delta z)-U(x,y,z)\end{align*}

\begin{align*}=U(x,y,z)+\frac{\partial U}{\partial x}\delta x+\frac{\partial U}{\partial y}\delta y+\frac{\partial U}{\partial z}\delta z-U(x,y,z)\end{align*}

\begin{align*}=\frac{\partial U}{\partial x}\delta x+\frac{\partial U}{\partial y}\delta y+\frac{\partial U}{\partial z}\delta z\cdot\cdot\cdot (8.2)\end{align*}

 

ここまでくれば、(8.1)式と(8.2)式がを用いれば(8)式となることはわかりますね(^^)


 

と、すると(8)式を(6)式の\(\delta T+\delta W\)に代入します。

 

\begin{align*}\delta T+\delta W=\delta T-\delta U=\delta(T-U)\end{align*}

※さんざんやってきましたから、\(\delta T-\delta U=\delta(T-U)\)としても間違いないでしょう。

 

最小採用の原理

 

ここで、\(T-U=L\)として謎の量を導入するとしてみましょう

 

そのまま、(6)式に入れたら、

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}(\delta L)dt=0\cdot\cdot\cdot (9)\end{align*}

 

一応ちょっとだけ厳密に、

経路\(C\)に対して:\(L\)

経路\({C}’\)に対して:\({L}’\)

としていることにすると、

(左辺)=

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}(\delta L)dt=\int_{t_{0}}^{t_{1}}({L}’-L)=\int_{t_{0}}^{t_{1}}{L}’dt-\int_{t_{0}}^{t_{1}}Ldt=\int_{t_{0}}^{t_{1}}\delta Ldt\cdot\cdot\cdot (10)\end{align*}

と、このようになるので、(9)式に戻ると、

\begin{align*}\delta \int_{t_{0}}^{t_{1}} Ldt=0\cdot\cdot\cdot (11)\end{align*}

こんな感じになりました♪

 

あれ?

(11)式はどっかで見たな・・・・(笑)

こちらのラグランジュ方程式の導出の際に用いた最小作用の原理じゃないか。

最小作用の原理 ラグランジュ方程式の導出:ランダウ=リフシッツの”力学”わかりやすく解説

じゃー、謎の量\(L=T-U\)はラグランジアンか!!

 

 

まとめ

 

何か式をいじくりまわしていると同じ事を堂々巡りでやっているように感じます。

 

本記事でやったと

 

(1)ハミルトニアンの原理

初めに考えた経路\(C\)の運動が実現されるようなものの必要条件は、ちょっとずらした経路\({C}’\)の運動を仮想するとき、つねに下記のような式が成り立っている」

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}(\delta T+\delta W)dt=0\cdot\cdot\cdot (1)\end{align*}

を導きました。

 

それは、運動方程式から考えると、

「\(T-U\)←エネルギー」が時間に対して保存している。・・・(A)

とも言い換えることができます。

 

\(\bf{F}\)がポテンシャルエネルギーとする場合、謎の量\(L=T-U\)を導入すると、

\(\delta \int_{t_{0}}^{t_{1}} Ldt=0\)・・・(11):最小作用の原理に帰着する

\(L=T-U\)は停留値をとっていると言えます。

 

そうすると、\(\bf{F}\)がポテンシャルエネルギーの場合、\(L=T-U\)を用いて

\begin{align*}\delta \int_{t_{0}}^{t_{1}} Ldt=0\end{align*}

を考えるとします。

そしたら結果的に運動方程式が出てきそうなのが何となくわかると思います。

 

そう言えばこのような内容を【第3報】の後半でも言った気がしますね♪

 

次回

 

ところで・・・・

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}(\delta T +\delta W)dt=0\cdot\cdot\cdot (6)\end{align*}

なのですが、

\begin{align*}\int_{t_{0}}^{t_{1}}\big(m\ddot{\bf{r}}\cdot\delta \bf{r}-\bf{F}\cdot\delta\bf{r}\big)dt=0\end{align*}

\(\int_{t_{0}}^{t_{1}}\big(m\ddot{\bf{r}}-\bf{F}\big)\cdot\delta\bf{r}dt=0\)

どんな変分\(\delta\bf{r}\)に対しても上記の式が成り立つので、

\begin{align*}\big(m\ddot{\bf{r}}-\bf{F}\big)\cdot\delta\bf{r}=0\cdot\cdot\cdot (12)\end{align*}

のはずです。

あれ?

これ、ダランベールの原理じゃない??(笑)

ってことで、次回はダランベールの原理を説明します。

 


今一度全体の流れをご確認ください。

(1)ハミルトンの(変分)原理←本日の内容

        ↓あれ?

(2)ダランベールの原理っぽいね?←次回

        ↓一般座標、一般速度に変換

(3)あ、ラグランジュ方程式だ!!

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