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最小作用の原理 ラグランジュ方程式の導出:ランダウ=リフシッツの”力学”わかりやすく解説

2019/06/11
 
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さてやっていきましょう。

前回の続きです。

前回は下記の内容で記事を書きました。

 

前回の記事はこちら

 

 

またまた復習からいきます。

前回の復習
「ある時刻における<<力学的状態>>は、一般座標\(q_{i}\)と一般速度\(\dot{q}_{i}\)というものを同時に与えれば、それ以降の運動は原理的に予言できる。」
ということを述べました。
一般座標\(q_{i}\)と一般速度\(\dot{q}_{i}\)というとても抽象的ものをなぜ導入したかというと、座標系によらない定式化を試みたかったからでしたね。

 

今回は、いよいよラグランジュ方程式を導きましょう(^^)/

 

本記事
ラグランジュ方程式の導出

\begin{align*}\frac{d}{dt}\frac{\partial L}{\partial \dot{q}}-\frac{\partial L}{\partial q}=0\end{align*}

※ラグランジアン\(L\)

 

いきなり、\(L\)(ラグランジアンと言います)がでてきて序盤からつまづくのが、ランダウ・リフシッツの”力学”であります。

まだ、教科書のP.2ですよ(笑)

 

順を追って理解していきましょう。

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最小作用の原理:状態は最短で次の状態へいく

 

 

最小作用の原理とは
最小作用の原理に従って、物体の運動(時間発展)は、作用積分と呼ばれる量を最小にするような軌道に沿って実現される

 

まーわけがわからない(笑)

 

とりあえず、前の記事で書きましたように、

ある時刻における力学的状態は、一般座標\(q_{i}\)と一般速度\(\dot{q}_{i}\)で決まる。

 

力学的な状態は、それらを変数とおく関数\(L\)というもので特徴づけられる・・・とします。

\(L\)はまだよくわからなくても良いですが、力学的な状態を示す関数という漠然としてイメージをもっておけば良いでしょう。

それが、時間\(t\)、一般座標\(q_{i}\)、一般速度\(\dot{q}_{i}\)を変数として、以下のように表記します。

\begin{align*}L(q_{i},\dot{q}_{i},t)\end{align*}

これをラグランジアンと言います。

 

ある状態1からある状態2にいく経路というものをイメージします。

そうすると、状態経路みたいなものは、

\begin{align*}S=\int_{t_{1}}^{t_{2}}L(q_{i},\dot{q}_{i},t)dt\end{align*}

となりますね。

これを作用といいます。

たんに、任意の時刻\(t_{1}\)と\(t_{2}\)での位置座標をそれぞれ\(q^{(1)}\)、\(q^{(2)}\)と示してあるにすぎません。

 

そして、力学的な状態は作用\(S\)を最小にするように実現している
これを最小作用の原理と言います。

何か例があると嬉しいですね。。。

ん~、今は思いつかないので記事を書きながら随時アップしていきます(´・ω・`)

 


 

「\(S\)は最小にとるように系が決められている」ということが前提にあるのであれば、\(q(t)\)をちょっとずらしたらどうなるのか?

 

\begin{align*}q(t)+\delta q(t)\end{align*}

と、このようにしてみます。

\(\delta q(t)\)のようなわずかなずれのことを変分と言います。

※ここで、時刻\(t_{1}\)から\(t_{2}\)の間、\(\delta q(t)\)はずっと小さな関数としています。

※また、条件として時刻\(t_{1}\)から\(t_{2}\)の間の\(q^{(1)}\)と\(q^{(2)}\)は両者で同じとしておきます。

 

スタート地点とゴール地点が同じというイメージですね。

 

絵で示すと、下記の赤色の経路みたいな感じでしょうか。

 

このように経路を変えると様々な作用Sの値をとれるのです。

 

でも上の絵の黒色の経路による作用Sが最小であるということは、極値をとっていますよね。

 

 

極値をとっているということは、作用\(S\)の微分が0とも言えるし、ここでは

①黒色経路:\( S=\int_{t_{1}}^{t_{2}}L(q_{i},\dot{q}_{i},t)dt\)

②赤色経路:\( S=\int_{t_{1}}^{t_{2}}L(q_{i}+\delta{q_{i}},\dot{q}_{i}+\delta{\dot{q}_{i}},t)dt\)

と考えた時の、①と②の差が0であると言えますね。

 

さて、計算します・・・・の前に

(2)をちょっと式変形


(2)式の、

\begin{align*}L(q_{i}+\delta{q_{i}},\dot{q}_{i}+\delta{\dot{q}_{i}},t)d\end{align*}

をテーラー展開します。

\begin{align*}L(q_{i}+\delta{q_{i}},\dot{q}_{i}+\delta{\dot{q}_{i}},t)dt=L(q_{i},\dot{q}_{i},t)+\frac{\partial L}{\partial q_{i}}\delta q_{i}+\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_{i}}\delta \dot{q}_{i}\end{align*}

ここで、\(\delta q\)などの2次の項は小さいの無視。

上式は次のようにも書けますね。

 

\begin{align*}\delta L=L(q_{i}+\delta{q_{i}},\dot{q}_{i}+\delta{\dot{q}_{i}},t)dt-L(q_{i},\dot{q}_{i},t)=\frac{\partial L}{\partial q_{i}}\delta q_{i}+\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_{i}}\delta \dot{q}_{i}\end{align*}


 

さて、(2)ー(1)=0とします。

\begin{align*}\int_{t_{1}}^{t_{2}}L(q_{i}+\delta{q_{i}},\dot{q}_{i}+\delta{\dot{q}_{i}},t)dt-\int_{t_{1}}^{t_{2}}L(q_{i},\dot{q}_{i},t)dt=0\end{align*}

 

すると、

\begin{align*}\int_{t_{1}}^{t_{2}}\big(\frac{\partial L}{\partial q_{i}}\delta q_{i}+\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_{i}}\delta \dot{q}_{i}\big)dt=0\end{align*}

 

このようになりました。

 

もうひといきです(^^)

 

 

第二項を部分積分してやりましょう。

\begin{align*}\bigg[\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_{i}}\delta q_{i}\bigg]_{t_{1}}^{t_{2}}+\int_{t_{1}}^{t_{2}}\big( \frac{\partial L}{\partial q_{i}}-\frac{d}{dt}\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_{i}}\big)\delta q_{i}dt=0\end{align*}

 

 

ここで、\(\delta q_{i}\)というのは、スタート地点と、ゴール地点で0でしたから、上の式の第一項は消えてしまいます。

 

見えてきました!(^^)!

 

\(\delta q\)は任意に与えましたから、任意の\(\delta q_{i}\)に対して上の式が恒等的に0になるためには、第二項の()内が常にゼロでなければなりません。

 

\begin{align*}\frac{\partial L}{\partial q_{i}}-\frac{d}{dt}\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_{i}}=0\end{align*}

これがラグランジュ方程式というものです。

 

まとめ

 

なんだかよくわからないまま、ラグランジュ方程式

\begin{align*}\frac{\partial L}{\partial q_{i}}-\frac{d}{dt}\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_{i}}=0\end{align*}

が導けましたね(笑)

流れを今一度確認しておきましょう。

 

全体のフロー

 

 

次回

 

なんだか急にわけわからん方程式を立てたなという感じですね(笑)

 

次回のお題は、「ガリレイの相対性原理」です。

ガリレイの相対性原理:ランダウ=リフシッツの”力学” わかりやすく解説

 

ちなみに・・・


 

先の話をちびっと触れておくと・・・・

実は、与えられた系におけるラグランジアン\(L\)さえわかっていれば、ラグランジュ方程式を使えば、加速度を速度および座標の間の関係を示す式になるのです。

 

それは何かといえば、運動方程式です。

 


種明かしをすると、

ラグランジアン\(L=T-U\)と置けば、ラグランジュ方程式に代入すれば、そのまま運動方程式になってしまいます。

※Tは運動エネルギー:\(T=\frac{1}{2}mv^{2}\)

※Uはポテンシャルエネルギー:\(U=mgh\)(高さhの位置にある質点)

不思議だ(笑)


 

たとえ座標系がデカルト座標系\((x,y,z)\)であろうと、極座標系\((r,\phi,\theta)\)であろうと

ラグランジアン\(L=T-U\)と置けば、ラグランジュ方程式から運動方程式が求まる。

 

もっと言うと、デカルト座標系のx方向、y方向に関係なく、

ラグランジアン\(L=T-U\)と置けば、ラグランジュ方程式からその方向の運動方程式が求まる。

こうして、一般的な形式化に成功しました。

一般座標\(q_{i}\)と一般速度\(\dot{q}_{i}\)をその座標系における変数に置き換えてラグランジュ方程式を取り扱えば良いということです。

素晴らしい(^^)

 

ラグランジアン\(L=T-U\)と置けば、ラグランジュ方程式から運動方程式が求まる。
座標系によらない定式化を試みた👆。

 

 

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Comment

  1. サトウ より:

    部分積分変形後の積分の項で()の外にδqiをつけ忘れてませんか?

    • korokoro より:

      本当ですね。修正致しました。
      δqiを忘れているのは、まずいですね。一番肝心なところが抜けていました。
      どうもありがとうございます。
      今後ともよろしくお願い致します。

  2. 伴 公伸 より:

     伴 公伸といいます。はじめまして
     ファインマンの経路積分で特定経路以外の経路成分は互いに打ち消しあい経路積分に寄与しないその 根拠が最小作用の原理だそうだ。そうですか、?
     そうとするとそれはホワイトノイズの学理に矛盾するんです。
     ファインマンの経路積分は3次元の空間を自由に通る曲線経路についての計算ですが、1次元の直線線分を経路にしてやると、通信工学でよく使われる周波数特性グラフを求めるときのフーリエ積分と同形のオイラー関数を積分核にした積分計算になります。
     その値ですが、もし波動が確率的に変動すると積分の結果は中心極限定理からホワイトノイズになることが学理に証明されています。
     ところがホワイトノイズの定義から、ファインマンの経路積分に起きたような打ち消しあい積分に寄与しない成分は存在しません。
     したがってファインマンの経路積分での打消し合い寄与を減らす原因の働きは別に存在し、そこに最小作用の原理を生み出す親が潜んでいます。
     最小作用の原理はすべての物理現象に共通して働いている。ならば親はすべてを生み出す根源的存在ということです。
     親は私が睨んだところ、波動の引き込み現象です。
    機会があったら私を探して、討論してみませんか。
     

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