計算力学技術者試験

【計算力学熱流体2級の問題】断熱過程における音速の式

こんにちは(@t_kun_kamakiri)

本日は「計算力学技術者試験の熱流体2級」の計算問題に関する内容です。
これから計算力学技術者の熱流体を勉強する方を対象に問題を通して理解をしていければと思います。

こんな方が対象
  • 計算力学技術者試験の熱流体2級を勉強している方
  • 解析結果の見方などを学びたい方

では、問題です。

問題

流体力学における断熱音速の正しい式はどのように表されるか?

音速は$a=\sqrt{\frac{dp}{d\rho}}$

計算力学技術者熱流体2級対策アプリをリリースしました。

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    ※LINEの仕様で数式がずれていますが、アプリでは問題ありません。

解答例1

音速$a=\sqrt{\frac{dp}{d\rho}}$とします。

ここで、断熱過程であるため、ポアソンの法則$\frac{p}{\rho^{\gamma}}=\text{const}$より、両辺$\rho$で微分します。

圧力$p$は密度$\rho$に依存するため、商の微分を行います。

\begin{align*}
\frac{\frac{dp}{d\rho}\rho^{\gamma} – p\frac{d}{d\rho}\rho^{\gamma}}{(\rho^{\gamma})^2}=0\tag{1}
\end{align*}

これより、

\begin{align*}
\frac{dp}{d\rho}\rho^{\gamma}=p\gamma\rho^{\gamma -1}\tag{2}
\end{align*}

\begin{align*}
\frac{dp}{d\rho}=\gamma\frac{p}{\rho}\tag{3}
\end{align*}

ゆえに、音速は、

\begin{align*}
a=\sqrt{\frac{dp}{d\rho}}=\sqrt{\gamma\frac{p}{\rho}}\tag{4}
\end{align*}

解答例2

音速$a=\sqrt{\frac{dp}{d\rho}}$とします。

ここで、断熱過程であるため、ポアソンの法則$\frac{p}{\rho^{\gamma}}=\text{const}$より、$p=C\rho^{\gamma}$として、両辺$\rho$で微分します。

\begin{align*}
\frac{dp}{d\rho}=C\gamma\rho^{\gamma – 1}\tag{5}
\end{align*}

$C=\frac{p}{\rho^{\gamma}}$を代入すると、

\begin{align*}
\frac{dp}{d\rho}&=\frac{p}{\rho^{\gamma}}\gamma\rho^{\gamma – 1}\\
&=\gamma\frac{p}{\rho}\tag{6}
\end{align*}

ゆえに、音速は、

\begin{align*}
a=\sqrt{\frac{dp}{d\rho}}=\sqrt{\gamma\frac{p}{\rho}}\tag{4}
\end{align*}

まとめ

問題

流体力学における断熱音速の正しい式はどのように表されるか?

音速は$a=\sqrt{\frac{dp}{d\rho}}$

解答

\begin{align*}
a=\sqrt{\frac{dp}{d\rho}}=\sqrt{\gamma\frac{p}{\rho}}\tag{4}
\end{align*}

  • 断熱過程
  • 理想気体

ただし、断熱過程でのポアソンの法則$\frac{p}{\rho^{\gamma}}=\text{const}$は理想気体について成り立つ式であるため、音速がいつでも(4)のようになるわけではありません。

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