OpenFOAM

【ヒートシンクの熱流体(2)】OpenFOAMの熱流体固体連成のメッシュ作成

こんにちは(@t_kun_kamakiri

OpenFOAMの熱流体固体連成によるヒートシンクの熱流体解析の設定方法を解説します。
使用するソルバはchtMultiRegionSimpleFoamで熱流体と固体を連成させた定常解析用のソルバになります。

本記事ではヒートシンクの熱流体解析を行います。

前回の記事ではヒートシンクの熱流体解析を行うにあたってのメッシュ作成を解説しました。

本記事の内容

chtMultiRegionSimpleFoamによるヒートシンクの熱流体(固体連成)解析の設定方法を示す

ただ、テキストベースで解析設定しようとすると、めちゃくちゃ大変です。
以下にOpenFOAMが用意しているチュートリアルを解説した記事がありますので、一度読んでみると良いでしょう。

OpenFOAM v2412(WSL Ubuntu 22.04)

境界条件の設定

前回の記事で以下のコマンドにより気体・固体領域の分割を行いました。

領域分割によりフォルダ構成は以下となっています。
splitMeshRegionsコマンドにより、0, constant. system内に領域ごとの設定ファイルが作成されますconstant/air(heatsink), system/air(heatsink)のフォルダは元々作成していましたが、0/air(heatsink)はフォルダが生成されたと思います。

気体領域と固体領域で共通している面は、heatsink_to_airair_to_heatsinkの名前が付けられます。

….という内容までを前回の記事で行いました。

kEpsilon乱流モデルを使用したいので以下をコピーします。

0/nutは以下に編集します。

0/nut

続いて物性値を設定します。

物性値の設定

まずは気体領域の設定です。

consant/air/thermophysicalProperties

equationOfState perfectGas;としているので密度$\rho$は理想気体の状態方程式$p=\rho RT$により圧力$p$と温度$T$から計算されます。

固体領域の設定を行います。

consant/heatsink/thermophysicalProperties

乱流モデルの設定

乱流モデルは流体領域だけに設定するのでconstant/air/turbulencePropertiesだけに設定します。

ただ今回$k$-$\varepsilon$モデルを使用するとエラーになったので乱流モデルは使用しないことにします。

値の設定の問題かもしれないので本記事ではいちおう乱流モデルの設定として記載しておきます。

境界条件の設定

いよいよ境界条件の設定を行います。

境界条件のフォルダは0フォルダにありますが、マルチリージョン系は複数の領域に境界条件が分かれており、それぞれ設定する必要があります。
これが結構めんどう…

例えば、0/air/Uを確認してみます。

0/air/U

まだ適切な境界条件が設定されていませんが、ひとつずつ適切な境界条件を設定する必要があります。マルチリージョン系のチュートリアルを見ると、だいたいchangeDictionaryを使って境界条件を変更しているので、そちらに倣います。

changeDictionary

どういう境界条件にするかは絵を描いて抑えておくと良いでしょう。

まずは気体領域から。

system/air/changeDictionary

乱流モデルを使用しない場合は、必要になるのはU, T, p_rgh, pのみですが、乱流モデル用の設定の記載をしておきます。

続いて固体領域。

system/heatsink/changeDictionary

以下のコマンドを実行します。

境界条件設定のファイルの中身が変わったと思います。

ひとつずつ見ていきましょう。

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