OpenFOAM

【回転するバスケットボールまわりの流れ(3)】外部領域をblockMeshでメッシュ作成

こんにちは(@t_kun_kamakiri)(‘◇’)ゞ

本記事ではOpenFOAMのメッシュ生成ユーティリティであるblockMeshを使って球体まわりのメッシュを6面体で生成したいと思います。

こちらの記事のモデル作成です。

最終的には以下のようになります。

前回の記事ではバスケットボールまわりの近傍のメッシュをblockMeshで作りました。

バスケットボールまわりの解析をするにあたって計算領域を広くとる必要があります。
今回はバスケットボールまわりの外部領域(計算領域)をblockMeshで作成します。

1度試しにsnappyHexMeshでメッシュ生成しましたが、バスケットボールの凹みの部分のメッシュを細かくしないといけなく計算時間がかかるので本記事の内容の通りメッシュを作成しなおすことにしました。

バスケットボールはシュートの際に1秒間に2回転ほどしているそうです。
味方にパスをするときはもっと高速で回転していると思いますが、果たして回転させるとどう違うのか考察をしていく心意気です(^^)

カマキリ

自宅で解析できる記事は他にも書いています。

モデル作成と勉強しながら、アウトプットのため記事にまとめていきます。最終的にはOpenFOAMを使ってバスケットボールまわりの流れを解析します。

頑張りますよ(‘ω’)ノ

使用環境

  • Windows11
  • FreeCAD:0.20
  • OpenFOAM-v2212 (2006)ESI版
  • Paraview:5.11.0

ボール周辺のメッシュ作成

モデル作成の理解をするために段階的にメッシュを作成しましょう。

まずは以下のように大きな立方体の中に小さな立方体がくり抜かれた状態を作るためのblockMeshを作成します。
イメージしやすいように最終的な計算領域の大きさ薄い線を示しました。
ここで作成するのは太い黒線の領域です。

system/blockMeshDict_1

blockMeshの実行はファイル指定でする場合は以下のようにします。

外部領域を広くとるためのメッシュを作成し

次に外部の計算領域を広くとるためのメッシュ作成をします。
以下のようなイメージになります。

system/blockMeshDict_2

blockMeshの実行はファイル指定でする場合は以下のようにします。

ここに前回作成したバスケットボール周辺のメッシュを重ねてみると以下のようになります。

次に、今回作成した小さい立方体のまわりの形状を球体にしていきます。

小さな立方体を球体の形状に近づける

いきなり球体に近づけるのではなく少し球体に近づけるような操作をします。
edgesで以下のような書き方をすると、始点(p1)から任意の点(x y z)を通って終点(p2)にいく曲線を描くようにメッシュを変形することができます。

system/blockMeshDict_3

blockMeshの実行はファイル指定でする場合は以下のようにします。

次に球体に投影するようにメッシュを変形させます。

球体になるようにメッシュを変形

system/blockMeshDict_4

blockMeshの実行はファイル指定でする場合は以下のようにします。

球体周りの計算領域ができました。
ここに前回作成したバスケットボール周辺のメッシュを重ねると以下のようになります。

  • バスケットボール周辺:inner
  • 外部の計算領域:outer

inner(前回記事で作成)とonter(今回作成)は境界で節点はつながっていません。
もしボールのまわりの解析をしたい場合は、以下の方法があります。

  • 境界の節点をつないで解析をする(mergeMesh+stitchMesh)
  • 境界面をcyclicAMIで周期境界にする(mergeMesh+cyclicAMI境界)

本記事でもこの2つの方法については解説を行う予定です。

まとめ

今回はバスケットボールのまわりの計算領域をメッシュ作成をblockMeshのみ使ってメッシュ作成をしました。6面体で作成しているためメッシュ数を多くすることなく球体形状に沿ったメッシュ作成ができています。

次回はinner(前回記事で作成)とonter(今回作成)は境界をcyclicAMI境界条件にして球体周りの解析を行います。
解散した結果が以前球体周りの抗力係数をOpenFOAMで再現したような結果になるのかどうかを検証します。

この記事のメッシュ作成はblockMeshとsnappyHexMeshを使って作成していましたが、今回のようなblockMeshの6面体のみで作成した場合と結果に違いが出るのかを検証します。

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OpenFOAMコードの辞書的な扱いとしては以下の参考書が大変役に立ちます。
本記事ではESI版のOpenFOAMを使っているため本書のFoundation版で対応していない部分がありますが、その辺を考慮しても持っていて損はないでしょう。

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今回の記事はこちらの著者の方からモデル提供をいただきモデル作成の解説を行いました。
OpenFOAMでメッシュ作成

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